グリーンカード保持者の落とし穴:日本に住んでいても申告義務はある?
米国永住権(グリーンカード)をお持ちの皆様、こんにちは。よくいただく質問の一つに「グリーンカードを持って日本に住んでいる場合、米国の税金申告は必要ですか?」というものがあります。残念ながら、答えは「はい、ほとんどの場合必要です」となります。多くのグリーンカード保持者がこの事実を知らず、思わぬ落とし穴にはまってしまうケースが後を絶ちません。
グリーンカード保持者は「米国税法上の居住者」
米国税法において、グリーンカード保持者はその物理的な居住地に関わらず、「米国税法上の居住者(U.S. Tax Resident)」とみなされます。これは、たとえあなたが長年日本に住み、米国にはほとんど足を踏み入れていないとしても変わりません。米国税法上の居住者である限り、全世界で得た所得(World-Wide Income)に対して米国に申告義務が生じます。
なぜ多くの人が誤解するのか?
この誤解の背景には、いくつかの要因があります。
- 物理的居住地の感覚: 多くの人は「住んでいない国には税金を払わない」という感覚を持っています。しかし、米国税法はグリーンカード保持者に対して異なる基準を適用します。
- 情報不足: グリーンカード取得時の説明では、税務に関する詳細な情報が提供されないことが多く、後から問題に直面することがあります。
- 日米租税条約の誤解: 日米租税条約は二重課税を軽減するためのものですが、申告義務そのものを免除するものではありません。適切な手続きを行わなければ、二重課税のリスクは残ります。
具体的にどのような申告義務があるのか?
グリーンカード保持者が日本に住んでいる場合でも、以下の主要な申告義務が発生します。
- 米国所得税申告書(Form 1040): 日本で得た給与、事業所得、不動産収入、利子、配当など、すべての全世界所得を申告する必要があります。外国税額控除(Foreign Tax Credit)や在外米国人向け所得免除(Foreign Earned Income Exclusion)などの制度を利用して、二重課税を回避できる場合がありますが、申告は必須です。
- 外国金融口座報告書(FBAR – FinCEN Form 114): 米国外の銀行口座や証券口座などの合計残高が、年間を通じて一度でも1万ドルを超えた場合、財務省にFBARを電子申告する義務があります。これは税金とは別の報告義務ですが、怠ると重いペナルティが課せられます。
- 特定外国金融資産報告書(FATCA – Form 8938): 一定の基準を超える外国金融資産を保有している場合、所得税申告書に添付してForm 8938を提出する義務があります。
申告を怠った場合のペナルティ
これらの申告義務を怠ると、米国歳入庁(IRS)から非常に重いペナルティが課される可能性があります。特にFBARの不履行は、意図的でない場合でも高額な罰金が科されることがあり、意図的と判断された場合は刑事罰の対象となることもあります。
今からどうすべきか?
もしあなたがこれまで申告をしていなかった場合でも、まだ間に合います。IRSは、過去の申告漏れを自主的に是正するためのプログラム(Streamlined Foreign Offshore Proceduresなど)を提供しています。しかし、これらの手続きは複雑であり、専門知識が必要です。
まとめ
グリーンカード保持者である限り、たとえ日本に居住していても、米国への税金申告義務は継続します。この事実を軽視せず、適切な申告を行うことが非常に重要です。ご自身の状況が複雑だと感じたり、過去の申告に不安がある場合は、必ず米国税務の専門家にご相談ください。適切なアドバイスとサポートを通じて、安心して米国税務義務を果たすお手伝いをさせていただきます。
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