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居住者ステータスの判定:実質的滞在条件とデュアルステータス

米国税法上の居住者ステータスの重要性

米国税法上の居住者(Resident Alien)か非居住者(Nonresident Alien)かの判定は、個人の納税義務を決定する上で極めて重要です。このステータスによって、申告様式(Form 1040またはForm 1040-NR)だけでなく、課税対象となる所得の範囲も大きく異なります。正確な判定は、米国での税務コンプライアンスの基盤となります。

実質的滞在条件(Substantial Presence Test)

多くの個人にとって、米国税法上の居住者となるかどうかは「実質的滞在条件」によって判断されます。このテストは、ある個人が米国に「実質的に滞在している」と見なされるかどうかを評価します。

計算方法

以下の条件を両方満たす場合、実質的滞在条件を満たし、居住者と見なされます。

  • 当年の米国滞在日数が31日以上であること。
  • 当年の米国滞在日数と、過去2年間の米国滞在日数を加重平均した合計が183日以上であること。加重平均は、当年の全日数、前年の日数の1/3、2年前の日数の1/6で計算されます。

例:2023年に120日、2022年に180日、2021年に180日米国に滞在した場合、計算は次のようになります。120日(2023年) + (180日 × 1/3)(2022年) + (180日 × 1/6)(2021年) = 120 + 60 + 30 = 210日。この場合、183日を超えているため、2023年は居住者と見なされます。

免除される個人(Exempt Individuals)

特定のビザステータスを持つ個人や特定の職務に従事する個人は、実質的滞在条件の計算から滞在日数が除外されます。これには、F、J、M、Qビザの学生や交換訪問者(一定期間内)、外交官、国際機関職員、慈善事業のために競技するプロスポーツ選手などが含まれます。

「より密接な関係」の例外(Closer Connection Exception)

実質的滞在条件を満たした場合でも、米国以外の国と「より密接な関係」があることを証明できれば、非居住者として扱われる可能性があります。この例外は、特定の要件を満たす場合にのみ適用されます。

デュアルステータス(Dual-Status Aliens)

米国への入国初年度や出国最終年度には、年の途中で居住者ステータスが変更される「デュアルステータス」となることがよくあります。この場合、その年は一部期間が居住者、一部期間が非居住者として扱われます。

申告方法

デュアルステータスの個人は、通常、Form 1040(居住者期間)を主たる申告書とし、Form 1040-NR(非居住者期間)を添付して申告します。申告書には「Dual-Status Return」と明記する必要があります。居住者期間には全世界所得が課税対象となり、非居住者期間には米国源泉所得のみが課税対象となります。

注意点

デュアルステータス期間中は、標準控除の利用が制限されたり、一部の税額控除が適用されなかったりするなど、いくつかの重要な制限があります。

初年度の居住者選択(First Year Election)

当年に実質的滞在条件を満たさないが、翌年に満たす予定の場合、特定の条件の下で、当年の一部期間から居住者として扱われることを選択できる場合があります。これにより、夫婦合算申告(Married Filing Jointly)が可能になるなどのメリットがあります。

結論

米国税法上の居住者ステータスの判定は複雑であり、個々の状況によって適用されるルールが異なります。誤った判定や申告は、ペナルティや追加課税に繋がる可能性があります。ご自身の状況を正確に把握し、適切な税務処理を行うためには、資格を持つ税務専門家への相談が不可欠です。

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