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米国からの帰国者必読!出国税(Exit Tax)とSailing Permitの基礎知識

米国からの帰国者必読!出国税(Exit Tax)とSailing Permitの基礎知識

米国での生活を終え、日本への帰国が決まった皆様、おめでとうございます。しかし、その喜びの裏で忘れてはならないのが、米国税務における重要な手続きです。特に「出国税(Exit Tax)」と「Sailing Permit(出国許可書)」は、帰国をスムーズに進める上で避けて通れないテーマとなります。米国税理士として、これらの制度について詳しく解説します。

出国税(Exit Tax)とは?

出国税は、米国市民権を放棄する、または永住権(グリーンカード)を放棄する一部の長期居住者(Long-term Resident)に対して課される税金です。これは、米国との税務上の関係を断ち切る際に、あたかも全世界の資産を売却したかのように見なし、その含み益に対して課税するという制度です。この対象となる個人は「Covered Expatriate(カバード・エクスパトリエイト)」と呼ばれます。

Covered Expatriateの定義

以下のいずれかに該当する場合、Covered Expatriateと見なされる可能性があります。

  • 過去5年間の平均年間所得税額が一定額(2024年現在$190,000)を超える場合
  • 純資産が$2,000,000以上の場合
  • 過去5年間の納税義務をIRSに証明できない場合

Covered Expatriateに該当すると、全世界の資産(不動産、株式、退職金口座など)が、出国日現在の時価で売却されたと仮定され、その含み益に対して課税されます(Mark-to-Market rule)。ただし、一定の非課税枠(2024年現在$866,000)が設けられています。

出国税の申告には、Form 8854「Initial and Annual Expatriation Statement」の提出が義務付けられています。

Sailing Permit (Form 1040-C)とは?

Sailing Permit、正式にはForm 1040-C「U.S. Departing Alien Income Tax Return」とは、米国から出国する外国人が、出国前に米国での納税義務を全て果たした、またはそのための手配をしたことをIRSに証明するための書類です。

Sailing Permitが必要な人

米国市民権を持たない外国人で、以下のいずれかに該当する方は、原則としてSailing Permitの取得が必要です。

  • 米国から出国する予定がある人
  • 米国での所得があり、その税金を精算する必要がある人

グリーンカード保持者(永住権者)も含まれますが、一部の例外もあります。例えば、単なる旅行で一時的に出国する場合や、カナダ・メキシコへの短期訪問の場合などです。

申請方法と重要性

Sailing Permitは、出国予定日の15日前から、遅くとも出国日までにIRSに申請する必要があります。申請時には、過去の納税申告書や現在の所得状況、資産状況などを提示し、出国までの納税義務を確定させます。IRSは、その場で不足する税金がある場合は徴収し、問題がなければSailing Permitを発行します。

この許可書がないと、出国時に空港などで問題が発生する可能性があり、最悪の場合、出国が許可されないこともあります。必ず事前に手続きを完了させましょう。

専門家への相談が不可欠

出国税とSailing Permitは、非常に複雑な税務手続きであり、個人の状況によって適用されるルールが大きく異なります。誤った判断や手続きの漏れは、予期せぬ多額の税金やペナルティにつながる可能性があります。

米国からの帰国を検討されている方は、必ず米国税理士(EA)や国際税務に詳しいCPAなどの専門家にご相談ください。適切なアドバイスとサポートを受けることで、安心して帰国準備を進めることができます。

私たちは、皆様のスムーズな米国からのご帰国を、税務の面から全力でサポートいたします。

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