日本法人の会計期間の変更
日本の場合は定款を変更して、税務署と都道府県税事務所、市区町村役場に異動届を提出します。
定款を添付する必要はありませんが、リクエストされることが多い(多かった記憶がある)ので定款を添付してました。
定款変更は後付でもよく、認証する必要もないので、期末に思いの外売上が上がってしまった場合などに決算期変更して次期に売上をずらすことも可能です。
消費税はそううまくもいかず、期末時点において売上を次期にずらそうと決算期を過去に変更した場合、消費税に関する諸々の届出は新しい課税期間開始前に提出しなければならないので、きちんと計画を立てておかないと税務上不利になることもあります。
課税期間短縮制度を利用したとしても、あまり節税にならずコストがかさむことにもなりかねません。
アメリカ法人(C-Corp)での会計期間の変更
アメリカ法人(C-Corp)も基本的に自由に会計期間を変更出来ますが、IRSの承認が必要な場合があります。
IRSでは、日本のように課税所得を繰り延べる目的の変更に関しては、課税年度の変更を承認しない可能性があります。
しかし、下記のような条件が満たされた場合には自動的に承認されます。
- 変更した会計期間の期末から過去4年以内に会計期間を変更していない。
- パススルー課税に変更するわけではない。
- 25%テストを満たす。
この25%テストでは、変更する課税年度の最後の2か月間の売上と変更する課税年度の直近1年間の売上の割合を比較して計算します。
この割合が過去3年間で25%以上であれば、課税年度の変更が自動的に承認されます。
企業がまだ計算の基礎となる報告可能な収益が少なくとも47ヶ月に満たない場合、このアプローチを使用して課税年度の変更を申請することはできません。
会社が課税年度を変更したい場合、変更する課税年度が終了した後の4ヶ月目の15日目までに、IRSフォーム1128を記入して郵送します。
私が経験した中で日本でも税務上の承認が必要だったのは、商品券の計上方法です。
税務上は、原則として商品券等の発行時に発行対価の額を益金に計上することとされています。
会計上は預り金として負債計上し、商品と引き換えた時に売上計上します。
会計と税務の処理で差が出るので、あらかじめ所轄税務署長の承認を受けることにより、会計上の処理と合わせた収益の計上が可能となります。
(法人税法基本通達2-1-39)
きちんと承認を受けておかないと消費税の処理も面倒ですし、売上の計上漏れで追徴課税なんてことにもなりかねません。
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